不倫訴訟によって離婚し、住宅ローン残債を抱えた Dさん 40代

任意売却によって債務を整理することができた者です。子ども1人を育てています。

10数年前に、元夫との共有名義で都内に住宅を購入しました。夫が主債務者となり、私が連帯保証人です。

夫が借金を秘密にして抱えており、さらに浮気が発覚したことをきっかけに夫は家を出ていきました。弁護士を介して養育費などの離婚調停を進めているなかで、彼は自己破産を申し立ててしまいました。そのため私宛てで一括請求の督促状が届きました。いきなりこんな大金を支払えるはずもなく、競売しか道がないと考えこんでいたところです。

担当していた弁護士さんに相談したところ、任意売却という選択肢もあるということで進めることに決めました。物件を見積もってもらった結果、競売だと1500万円程度の売却額に対して、任意売却だと2300万円近くになるということで銀行側に合意していただき、2200万円程度で売却できました。

借金は250万円くらい残りましたが、分割返済を認めてもらったこと破産せずに済みました。その後に離婚も成立して養育費ももらえるようになったので、少しだけ余裕があります。日々の生活は大変なこともありますが、子どもが立派に大きくなるように頑張ります。

…パートナーとの共同によって住宅ローンを結んだ場合にも気をつけることがあります。それはパートナーの債務状況です。

上記のケースでは、夫に知らないうちに自己破産が必要な規模の借金ができ、さらに別居することで気が付かない状況になっていました。双方の経済状況

が分かりづらい状況に陥っている場合には注意が必要です。このような場合も、早い段階でパートナーが抱えるリスクも考慮して弁護士などに相談を進めるのがおすすめです。

家族のケガ・病気による家計圧迫で支払いに苦しむ Eさん 53歳

事業を営んでいる夫が購入した一軒家に住んでいます。26歳の娘が生まれた頃にローンを組んで購入したので、支払が終わるまであと10年を切っているくらいでしょうか。

先月、その夫が急性の脳梗塞に倒れてしまいました。幸い命に別条はなかったのですが、療養とリハビリに時間がかかるということでその仕事は休んでいる状態です。もしかしたら元のように仕事ができない可能性もあるようです。

しばらくの間、住宅ローンの支払いは貯金や私のパート収入で賄う予定でいます。もしまた別の病気が襲ってきて倒れたりなんかしたら…そう考えると、心配しかありません。

…仕事に打ちこむ現役世代の方に突然病気が襲ってくるケースがあります。病気やケガの治療が長引くことで家計が圧迫されてしまい、ローン返済が苦しくなることも十分に考えられるのです。万が一のためにもご家庭で契約している保険や収支状況も含めてチェックすることをオススメします。

定年退職後に残ったローン債務を整理した Fさん 71歳

過去に任意売却でローンを整理した者です。地震災害に遭って当時住んでいた自宅が大きな被害を受けてしまい、その住み替えで分譲マンションを購入しました。幸い火災保険も適応されたので多少は購入費用に充てることもできました。購入当時は役所の職員で、将来の返済は当時の安定した収入と退職金・年金で返済できると見越していました。

しかし60歳で退職するときには想定していなかった事態がありました。長男が病気を抱えてしまい休職して同居状態に、次男が勤め先の倒産を受けて失業してしまったので退職金を生活費にあてざるを得ない状態になりました。

7年が経過して二人の状況は多少改善しましたがこの時の負担が重く、私は4回にわたってローン返済が滞ってしまう事態となりました。遅延金が重くのしかかって、退職金は底をつき返済に頭を悩ます日々が続きました。カッとなって大喧嘩になったこともあり重苦しい雰囲気のなか、思い切って法律相談所にかけあったところ、任意売却によって清算する方法があると伺ったのです。

幸い任意売却が成立して、落ち着いたところで賃貸マンションに移ってささやかな生活を送っています。息子2人も仕事に復職でき、今後はのんびりと過ごすつもりです。欲を言えば、滞納した時点で相談するとよかったかもしれません。

定年退職後に住宅ローンの返済計画を立てている方も注意が必要です。“一寸先は闇”と言いますが急病や事故治療によって思わぬ費用が掛かってしまい、ローンの返済計画が崩れることも否定できません。購入後のライフプランは、アクシデントがあっても大丈夫でしょうか?ぜひ返済計画も見直してみましょう。