もし住宅ローンの返済が困難になった場合には、住んでいる住宅の売却や競売に出さざるを得ない可能性が高まります。そんな可能性を回避する方法がまだ残されています。それが「不動産の買い戻し」です。
✔親族や友人・投資家に不動産を購入してもらい、買い戻す方法
不動産の買い戻しは「親族間売買」「リースバック」とも呼ばれています。親子や親族間・友人などの第三者に対象の不動産を一時的に購入してもらい、将来的にその家をふたたび購入する方法です。不動産の買い戻しは家の権利が購入者へと移るので、トラブルを防ぐためにもお互いの信頼関係が確立されていることが求められます。
この方法を取ると、新しい物件所有者に対して賃貸借契約を結ぶことになります。そのため毎月の賃料を支払う必要があるので、一定の安定収入が確保できることが絶対条件です。なお家の賃料は周辺の不動産相場をもとに、話し合いによって決定していきます。そのほか、親族などの協力を得て賃料を安く設定してもらう、第三者間で買い戻しの特約を結ぶなどの方法もあります。
✔物件を取り戻せる可能性が残るも、ローンが組みづらい
不動産の買い戻し(リースバック)は、競売や任意売却を避けることができる最大の方法とも言えます。信頼できる親族や投資家がいる場合には有効な手段となりますが、メリットとデメリットもしっかり確認しましょう。
▶メリット:上記の通り、不動産買い戻しによって自宅を完全に手放すことなく住み続けることができます。また、不動産の売主(債務者)による費用負担は、印鑑証明書や不動産評価証明などの数千円の証明書代で済みます。
▶デメリット:まず、多くの場合では買い戻しを目的とした住宅ローンの利用ができません。親子間での不動産を扱う場合には相続や贈与によって取得するケースが一般的であるためです。また、別の用途へ融資金を利用するのを防ぐ目的もあり、住宅ローンによるリースバックは難しくなります。しかし金融機関によっては売買価格や約隷・契約条件によっては住宅ローンによる融資が可能な場合もあります。
不動産の買い戻しは競売や任意売却の前に行える最後の手段です。もしこの方法が困難である場合には、早めに任意売却についての検討が望ましいでしょう。