任意売却が成功したとしても、どうしても残債(借金)が残ってしまうケースも存在します。

その整理方法は5点あり、相談者の状況を整理することで最善の道が導き出されます。任意売却後の整理方法を知り、あなたに合った方法で生活を立て直しましょう。

残債の扱いについて

当然ながら、任意売却後の残債は「残った住宅ローンの一部」という扱いなので、返済をしていかなければならないものです。

そのため、債務者の状況に応じて無理のない範囲で返済ができるように月々の支払額について決める交渉をすすめることができます。任意売却の会社に依頼することで、詳細や双方の事情を理解しているので債務者側の希望額が認可されるケースが多いです。

残債整理の方法5点

任意売却の利用によって、大きく残る住宅ローン債務を大きく返済することができます。この方法は競売よりもはるかに多くのメリットをもたらしますが、基本的には残債は残ってしまうものです。

任意売却が終わってから残った残債を整理する方法をお伝えします。それぞれ可能な交渉内容や大まかな特徴をまとめています。

任意整理

  • 利息の免除
  • 原則3年の分割払い
  • 過払い金の請求
  • 債権者毎に交渉可能
  • 個人的に弁護士へ依頼

特別調停

  • 利息の免除
  • 原則3年の分割払い
  • 過払い金の請求
  • 債権者毎に交渉可能
  • 自分で簡易裁判所に請求

個人再生

  • 残債の圧縮が可能
  • 原則3年3万円以上の分割払い
  • 弁護士に依頼、費用高め
  • 手続きに時間が掛かる
  • 官報に掲載

サービサーによる債務整理

  • 残債を最大95%削減
  • 債務完済まで3年以上の期限設定
  • 自分で手続き可能、委託費は残債の5%程度
  • 親族等の協力が必要

自己破産

  • 残債が全て消え、0円になる
  • 自分で手続き可能、債務整理まで3カ月必要
  • 地方裁判所に申請、費用は比較的安価
  • 手持ちの財産はあまり残せない

以上の5つの方法によって残債整理が可能です。これらを収入の有無や資産状況によって取るべき整理方法が変わってきます。

残債を整理するポイント2点

住宅ローンによる債務を整理するには、2つのポイントを用いましょう。

Point1:税金の滞納をすべて解消する

住民税・市民税などの税金は、たとえ残債があっても自己破産状態になっても0円になることはありません。原則としては支払いがなければ資産の差し押さえなどによって納税する義務が課されているのです。

そのため、出来る限り金融機関への返済前に、滞納している税金があれば優先して支払いを終えることが望ましいです。

Point2:不動産は全て売却

特に自己破産による債務整理の可能性が高い方は検討する必要があります。

自己破産は不動産を所有した状態で行うと、50万円以上の費用負担が発生するケースが多いです。対して、資産が少ない状態だと3万円程度の費用となります。

仮に不動産を保有していたとしても自己破産では20万円以上の資産を残すことができない(100万円以下の現金は除く)ので、ご自身の意思による清算が推奨されます。

以上のように、任意売却後の残債整理方法をお伝えしました。あまり望ましいことではありませんが、より効果的に残債を整理するためにも現在の状況を整理したうえで資産の売却や最善の手段を選びましょう。もし住宅ローンによる債務整理に迷われている場合には、早い段階で専門家への相談がおすすめです。