住宅ローンは通常、契約条件で定められた一定金額を毎月返済することとなります。もし仮に何かの要因でローン返済が難しくなった場合には、債権者(金融機関)が納得できる方法によって解決を図る必要があります。
その解決方法の一つが「任意整理」という方法で、金融機関などの債権者と直接、住宅ローンの見直しについて相談を行う方法です。以下でその詳細について確認しましょう。
✔経済状況が安定している前提で、返済可能な方法の承認を得る
任意整理は裁判所を介する必要がなく、家庭と金融機関のみで行うので比較的進めやすい解決方法と言えます。しかしながら、下記の条件4点を満たす必要があります。
- (原則的に)3~5年の期間で完済できる見込みが立つこと
- 現在から見て、将来に渡って安定的な収入を継続して得る見込みがあること
- 完済するまで、誠実に継続して返済する意志があること
- (現在失職中の場合でも)あくまで一時的な状況であること
以上の条件をもとに、経済状況における深刻度が低いと債権者が判断する場合に任意整理の適応が可能となります。
✔余裕を持った返済計画ですが、総支払額が増加します
任意整理にもメリットとデメリットがあります。詳細は以下の通りです。
▶メリット:長期分割払いとして、毎月の返済額を無理のない範囲に設定されるため経済的・心理的な負担を軽減して返済を進めることができます。また、これ以前に利息を支払いすぎていた場合には“元本減額”もしくは“過払い金の返還”が行われます。また、裁判所を通さずに行われるので官報記載や資格制限の措置がありません。
▶デメリット:まず債務者側が求める要望を債権者側が拒否したり、返済期間を延ばす分だけ総返済額が増えるなどの条件を提示したりされる可能性があります。とりわけ債務者側が専門家を介さずに個人のみで行う場合では交渉がスムーズに進まない可能性もあります。さらに、金融業者間にある“ブラックリスト”上にチェックされる可能性が高く、債務返済後の数年間は融資を受けることが難しくなることも考えられます。
以上のように、任意整理は返済期間を延ばして猶予のある返済方法を取ることが可能になりますが、新たな融資計画などがある場合には不向きな債務の整理方法と言えます。