社会情勢の大きな変化は、住宅ローンを返済する相談者にとって急激に負担が大きくなるケースが少なくありません。借り入れする時には無理のないプランだったはずが、いつの間にか大きな債務超過に苦しむ人が多く寄せられているようです。では、どんな状況でローンの支払いが困難になってしまうのでしょうか?確認してみましょう。
収入ダウン
安定した給与収入があるサラリーマンの方々でも、キャリアの中盤から後半で突然給与ダウンに遭うケースが少なくありません。自身の年齢や収支状況・所属する組織の人事体制にも注意する必要があります。
役職定年による給与収入のダウン
終身雇用が崩れつつあるなか企業の組織体制を若返らせるために、一定年齢で役職から外れる人事制度「役職定年」があります。仕事に対するインセンティブではなく、ポジションによる役職手当によって収入が支えられているのであれば、役職から外れたあとで人事評価が大きく変わってしまうことも考慮すべきです。
会社の倒産/リストラで収入が途絶えてしまった
国際的な競争激化によって、日本企業では組織のスリム化や経営の立て直しが進められています。この事情の中で早期退職やリストラに巻き込まれるケースです。特に40~50代の人々にとっては急激に収支状況が変わる危険性をはらんでいます。
また、企業の経営状況も重大なポイントです。数カ月の給与未払いや最悪のケースでは企業倒産によって労働収入が途絶え、ローン支払いが一気に滞る可能性も否定できません。
残業代の削減で収入が減ってしまった
近年、労働環境の改善のために「働き方改革」が取り組まれています。その前にローンを組んだ場合では、残業代を見越してプランを組み立てたケースも少なくありません。もし残業によって月々の収入が支えられているのであれば、それは危険な兆候かもしれないのです。
ケガや退職・離婚などのアクシデント
離婚による住宅ローン残債と連帯保証人問題
夫婦で住宅ローンを組み、連帯保証人となって住宅を購入するケースが多くあります。離婚によって調停にさしかかったとき、もっとも大きな問題の一つが住宅ローンに関する問題です。法的関係や債務処理についてとても複雑になるケースが多いため、離婚が現実的になった段階で早めの相談に進む必要があります。
家族のケガ・病気による家計圧迫
仕事にバリバリ打ちこむ現役世代の方でも、突然病気が襲ってくるケースがあります。病気やケガの治療によって家計が圧迫されてしまい、ローン返済が苦しくなることも有り得るのです。万が一のためにもご家庭で契約している保険や収支状況も含めてチェックすることをオススメします。
定年退職による収支の圧迫
定年退職後も住宅ローンが残っている方は注意が必要です。“一寸先は闇”と言いますが急病や事故治療によって治療費がかさんでしまい、収支バランスが崩れることも否定できません。
購入後のライフプランは、アクシデントがあっても大丈夫ですか?ぜひ返済計画は見直しましょう。
不動産投資の失敗
収益物件・収益不動産のローンが払えない
将来の備えとして不動産ビジネスに参入される方もいらっしゃいます。安定した収入を元手にローンを組んで家賃収入を得ることは素晴らしいですが、家賃が入らないリスクも考慮して組んだものでしょうか…?入居者が入らない状況が続くことでローン支払いが一気に止まってしまう危険性も考慮しましょう。
実質利回りが大幅ダウンしてしまった
たとえ利回りが10~20%と記された物件を購入できたとしても、喜ぶのはまだ先です。リフォームや管理会社との契約・トラブル対応による急な支出によって「実質利回り」が大きく下がってしまう場合があるのです。この利回りの罠によって、想定に満たない家賃収入に悩む方も少なくはないのです。
低金利のワナや収支バランスの大変化、家族トラブルにはご注意!
住宅ローンを返済するにあたって、現在は多くのワナが散らばっているような状況です。収入ダウンによって返済計画の崩れや、病気・家族関係問題などの急なトラブル、さらに投資の失敗など…。
余力以上の借り入れを行ってしまい将来に大きな負担を残してしまうこともあり得るのです。現在組まれている住宅ローンの返済プランは無理がないか確認し、いざという時の備えや選択肢も考慮することを推奨します。