住宅ローンによる債務整理方法のひとつに、不動産の買い戻し(リースバック)を行う方法もあります。
これは親族や投資家・不動産会社に買い取ってもらい、家賃を支払いながら住み続ける方法です。買い取り側の状況によって条件やリースバック中にできることが変わります。
買い戻しで もとの家に住み続けられるしくみとは
任意売却後も同じ物件に住み続けたい場合は、一般的に血縁関係のある親族に買い取ってもらう①「親族間売買」という方法があります。つながりのある親族であれば、売却した後も賃貸契約を結んで住むことに抵抗感も少なく、将来的には比較的安い価格で買い戻す約束もできるはずです。家賃収入という形で親族にもメリットがもたらされます。
ただし親族間売買の場合は、住宅ローンの融資を受けられない場合がほとんどです。そもそも買取り人となる親族・血縁者がいないケースも多いはずです。
そこで2つ目の方法として「リースバック」という方法を利用できる可能性があります。
投資家や不動産会社で出来るリースバック
リースバックは業者(一般投資家や不動産会社)と契約を結んで、売却した物件に住む方法です。
まず一軒家やマンションを業者に売却して、得た資金を住宅ローンの返済にあてます。同時にリースバックを引き受ける業者と賃貸借契約を結び、持ち家を賃貸(リース)という形で借りるのです。
この方法を取ることで、債権者には任意売却で得た売却資金で返済を進めることができ、賃貸契約ながらも住み慣れた家にそのまま住み続ける事が出来るのです。もちろん引越しで退去する必要もありません。また所有権を喪失するので、固定資産税など不動産関連の支払いも必要なくなります。
将来的に買い戻すための契約を結んで、一定年数が経った時点であらためて買い戻すことも可能です。
リースバックのメリット・デメリット
【メリット】
- 引き続き、思い入れのある自宅に住み続けることが可能
- 引越しの必要がなく、短期的には売却代金が十分に残る
- インターネット等による販売活動がなく、部外者に情報が広まらない
【デメリット】
- 自宅を借りる間は家賃がかかり、長期的にはコストが上がる
- 結果的に買い戻した段階で、総支払額が高くつく可能性がある
元々リースバックは「住宅を売却して、生活資金を手にしたいがそのまま住宅に住み続けたい」という方が対象のサービスです。最近ではすでに退職した老年世代の方々が利用するケースが多いです。
そのため短期的にはコストが抑えられますが、一定期間を超えると売却額を上回るリース料を支払うこととなるので長期的にはデメリットのある仕組みとなります。
あくまで住宅ローン債務の整理・救済には適していない点は念頭に置きましょう。